歯は本来、自身の力で根っこを伸ばしながら自然に歯茎の外へ頭を出します。しかし何らかの原因で、歯が生えてくる時期が過ぎても、歯の全部または一部が、歯ぐきの下や、あごの骨の中に埋まって出てこない状態になることがあります。
この埋まった歯のことを「埋伏歯」といいます。
近年、永久歯が埋まったまま生えてこない子供や大人が増えてきています。主に第2小臼歯、犬歯などに多くみられます。
当院では、この埋伏歯の治療も行っております。
埋伏歯になる原因は様々ですが、主な原因は下記が考えられます。
- 歯胚の位置異常
- 萌出方向の異常
- 乳歯が早く抜けた、逆にいつまでも抜けず、永久歯が生えるスペースがない
- 顎の発達が不十分で、永久歯の生える場所が不足している
- 歯と骨が癒着してしまっている
- 歯を取り囲む歯茎や周囲の骨が厚い
- 歯の形や大きさの異常
まずはレントゲンで埋伏歯の状況を確認します。
埋伏歯をそのままにしておくと、歯が生えていないことで隙間が生じてすきっ歯になったり、空いたスペースに向かって隣の歯が傾き、咬み合わせが悪くなったりすることもあります。
経過観察をしつつ、必要に応じて萌出誘導し、反応が見受けられない場合は、開窓・牽引をします。
- お子さんの埋伏歯は定期的に診てもらいましょう
- 抜歯や切開が必要な状態であれば、できるだけ年齢が若いときに対処するのがおすすめです。対処後の治りが早く、お子さんにとっても精神的な負担が少なく済みます。
埋伏歯は、明確に対処が必要といいきれるものもあれば、成長過程で状態が変化するものもあり、その場では判断できないこともあります。異変にいち早く気づいてあげられるよう、定期的に歯医者で診てもらうようにしましょう。